新しい歯科ボランティアを、ミャンマーより!

※本文は2017年4月16日に日歯校友会『富士見』に寄稿した文章になります。

飛行機で西に移動すること約9時間、気候は南国の熱帯であり、乾季になれば40度近くになる。ここはミャンマー連邦共和国。

アジア最後のフロンティアと呼ばれるここで私たちは、歯科医療ボランティアを行っています。

2010年に民政移管を果たし、以前の軍事政権とは異なり国際社会に復帰して、現在はアウンサンスーチーを中心に国家運営がなされています。

 
私たちは、ヤンゴンより車で3時間の都市バゴーで、お寺が運営している小・中学校で活動を行っています。ミャンマーは敬虔な仏教国で、托鉢をしているお坊さんを色々な所で見かけした。この小・中学校も人々の寄付により運営されています。


生徒はお坊さんになるため住み込みの学生から、近所に住んでいる地元の学生、孤児になってしまった学生など色々な子供たちがいます。今回はこの小・中学校で、約200名近い生徒の検診・生活習慣のアンケート、約50名には検診の結果に基づいて治療を行ってきました。

それまで、私たちは10年以上前から2014年まで、カンボジアでボランティア活動を継続しておりました。そこでの結果に関しては日本口腔衛生学会や日本公衆衛生学会などで発表を行っています。


ミャンマーの活動は、カンボジアでの経験を元にさらに発展させて行っています。例えば歯科ボランティアと言うと、歯科に行けなくて困っている現地住民を治療して、口腔衛生教育を行って終わりと言うパターンがほとんどです。カンボジアで私たちが行っていたのもほぼ同じパターンでした。これは住民の要望が多いのも事実ですし、確かに困っている人を助けて現地の人々に感謝していただける、これらのことだけでも充実感は有るのですが『何か』が足りない。


私たちはカンボジアで小・中学校の検診も行っていた経験もあり、ミャンマーでの活動は『何か』を求めて、学校の検診からの発展を考えています。これはただ人々の求める治療を行うだけではなく、これからミャンマーを担って行く子供たちを中心に考え、そこから学校の先生・生徒の父母そして地域住民へ広げて行くことを考えています。


海外で歯科ボランティア治療を行う際に問題となるのは制約です。それは現地の人々の考え方であったり、言葉であったり時間や機材、マンパワーだったりします。このように制約も多いですが、日歯の先人たちを見習い、問題を解決して目標である『ミャンマーの健康の増進』を『口腔の健康の維持』から行っていきたいと考えます。

活動している現地の状況は、まだう蝕は少ないですが、歯肉炎は極めて多く改善余地が有ります。発展途上国では経済成長に少し遅れてう蝕が急速に増える傾向があり、う蝕に関しては今後の動向に注意していきたいです。

最後に私たちは現在3人(91回卒 市ヶ谷.歯科 町田賢太郎,93回卒 矢吹歯科 矢吹一峰,94回卒 岡田圭祐)で活動しています。これから対応できる規模や更なるクオリティーの向上を図りたいと思っています。


もしご興味を持っていただける歯科従事者がいらっしゃいましたら、お気軽にこちらまでご連絡いただけら幸いです。(メールアドレス:info@1-dent.com